2019-01-01から1年間の記事一覧
Thomas Kjeller Johansen (2014) "Why the Cosmos Needs a Craftsman: Plato, Timaeus 27d5-29b1" Phronesis 59, 297-320.
リチャード・タック『トマス・ホッブズ』田中浩・重森臣広訳,未來社,1995年。政治思想史家によるホッブズの入門書。OUP の Past Masters シリーズの一冊として刊行され,後に VSI シリーズで再版されている。コンテクストとしての人文主義とメルセンヌ・サ…
Thomas Kjeller Johansen (2004) Plato's Natural Philosophy: A Study of Timaeus-Criti.tias. Cambridge University Press. Ch.9: "Dialogue and Dialectic", 177-197.
Thomas Kjeller Johansen (2004) Plato's Natural Philosophy: A Study of Timaeus-Criti.tias. Cambridge University Press. Ch.5: "Necessity and Teleology", 93-116. 内容は学ぶところが多いが誤植が目立つ。「結論」は省略し一部をそれ以前の節に回した…
上野修 (2014)『スピノザ『神学政治論』を読む』ちくま学芸文庫。 『神学政治論』(TTP) の入門的解説書。3部構成。第I部は「思考のエッセンス」シリーズからの再録で,独立した解説になっている。第II部は詳細な各論,第III部は現代思想 (アルチュセール,ネ…
クリスチャン・ボルタンスキー,カトリーヌ・グルニエ (2010)『クリスチャン・ボルタンスキーの可能な人生』佐藤京子訳,水声社。 国立新美術館の回顧展に前に行った一ヶ月ほど前に,いわば予習のつもりで読み始めたのを半分ほど読みさしにしていた。キュレ…
Sarah Waterlow (1982) Nature, Change and Agency in Aristotle's Physics: A Philosophical Study. Clarendon Press. Ch.1: Nature as Inner Principle of Change. 1-47. [うち 1-22, 46-47.] アリストテレスの変化論を扱った S. Waterlow (Broadie) の研…
David Bostock (1982) "Aristotle on the Principles of Change in Physics I" Malcolm Schofield, Martha Nussbaum (eds.) Language and Logos. Cambridge University Press. 179-196. 特に節立てされていないが,便宜上見出しをつけた。最後の部分について…
Sean Kelsey (2008) "The Place of I 7 in the Arguments of Physics I" Phronesis 53, 180-208. I 7 前半部の役割は I 5-6 におけるアポリアーの解消にすぎない、という deflationary な説明を提示する論文。当該箇所の論述を単一のテーゼに代表させ、その…
Kit Fine (1982) "Acts, Events and Things" W. Leinfellner, E. Kraemer, and J. Schank (eds.), Sprache und Ontologie. Wien: Hoelder-Pichler-Tempsky. 「そもそも ᾗ/qua って何?」ということを考える手がかりになるかと思ったが,少なくともプラトンや…
David Bronstein (2016) Aristotle on Knowledge and Learning. Oxford University Press, 11-27. Ch.1. Meno's Paradox and the Prior Knowledge Requirement. Bronstein (2010) OSAP 38: 115-41 がもとになっている。まだパラドクスの箇所を自分でしっかり…
R. S. Bluck (1961) "On ΤΡΑΓΙΚΗ: Plato, Meno 76e" Mnemosyne 14(4): 289-95. 『メノン』76E における語 'τραγικὴ' の意味に関する20世紀の新奇な諸解釈に反対して従来の解釈を擁護する*1。 *1:メモを取るほどのものでもなかった気もするし,やや現実逃避ぎ…
Timothy Clarke (2015) "Aristotle and the Ancient Puzzle about Coming to Be" Oxford Studies in Ancient Philosophy 49:129-150. 本人も書いているようにかなり素直な (straightforward) 解釈をしている。ただ素直だから正しいというものでもないとは思…
Andreas Anagnostopoulos (2013) "Aristotle's Parmenidean Dilemma" Archiv für Geschichte der Philosophie 95(3): 245-274. 述定解釈を採る論文。文章は正直わかりにくいし解釈にもあまり説得されないが,事柄が考え抜かれている印象は受ける。B巻との接…
5月 奥村隆 (2014)『社会学の歴史I: 社会という謎の系譜』有斐閣アルマ。 原武史 (2019)『平成の終焉』岩波新書。 山内志朗 (2003)『ライプニッツ: なぜ私は世界にひとりしかいないのか』NHK出版。 日本歴史学会 (2019)『日本歴史』第853号。 G. W. ライプニ…
Sean Kelsey (2006) "Aristotle Physics I 8" Phronesis 51(4): 330-361.
André Laks (2018) The Concept of Presocratic Philosophy: Its Origin, Development, and Significance. trans. by Glenn W. Most. Princeton-Oxford: Princeton University Press. 19-34. 第2章は近代的 Presocratics 概念の源流として Zeller / Diels の…
André Laks (2018) The Concept of Presocratic Philosophy: Its Origin, Development, and Significance. trans. by Glenn W. Most. Princeton-Oxford: Princeton University Press. 1-18. André Laks (2006) Introduction à la "philosophie présocratique"…
アリストテレスと現代本質主義 Charles, Aristotle on Meaning and Essence #1 David Charles (2000) Arisotle on Meaning and Essence, Oxford University Press, pp.4-19. 読む義務があるのに先延ばしにしていた本。第1章は現代の議論の整理だが,不慣れな…
ヴォルテール『寛容論』中川信訳,中公文庫,2011年。 1762年のトゥールーズで,ある新教徒が子殺しの冤罪で処刑され,残る一家も離散の憂き目に遭った。被害者の姓を取って「カラス事件」と呼ばれるこの迫害に対して,ヴォルテールは名誉回復の運動を起こす…
盛山ほか編著 (2017)『社会学入門』ミネルヴァ書房。 社会学の教科書。良書だと思う。社会の諸側面を切り出す形でトピック別に章立てされており,「〇〇 (の) 社会学」についての各々の専門家による要を得た記述を読むことができる。
Lawrence M. Principe『科学革命』菅谷暁・山田俊弘訳,2014年。 VSI シリーズ The Scientific Revolution (2011) の訳書。16-7世紀科学がそれ以前の諸学をどう継承し,何を新たに生み出したか,を簡明に解説している。第1章「新しい世界と古い世界」では前…
久米郁男ほか『政治学』有斐閣,2003年。 New Liberal Arts Selection の一冊。ざっと目を通したが,あとで補訂版が出ているのに気付いた。とはいえ章構成は同じ。政治学全体がカヴァーされているのかは判らないが,少なくともトピックは幅広い。章末に簡単…
Tamer Nawar (2018) "Thrasymachus' Unerring Skill and the Arguments of Republic 1", Phronesis 63 (4), 359-391. 再読。授業準備。ざっくり要約する (結論部は省略)。この論文のよいところは,「トラシュマコスはどういう主義なのか」という (刺激的だが…
Charles H. Kahn (1978) "Questions and Categories" in H. Hiż (ed.) Questions (Synthese Language Library), Dordrecht: D. Reidel, 227-278. アリストテレスのカテゴリー論を総観的に論じる論文。内容上序論と本論からなる。序論としては,まずカント以…
佐藤康宏『日本美術史』放送大学教育振興会,2014年。 一週間ほど前に読んだのだけど記録を忘れていた。美術史専攻の人に勧められた本。縄文土器から戦中期の美術までを扱う。対象のもつ様々な特徴を記述に落とし込む手つきの鮮やかさが印象に残る。なかでも…
プラトン『テアイテトス』渡辺邦夫訳,光文社古典新訳文庫,2019年。 講談社学術文庫版ちくま学芸文庫版を改訂した新訳。このレーベルの他のギリシア哲学の作品同様,本書にも初学者向けの長めの解説が付されており (350-479頁),その注では現代の研究状況に…
笙野頼子『笙野頼子三冠小説集』河出文庫,2007年。 「タイムスリップ・コンビナート」「二百回忌」「なにもしてない」の三作を収める。旧作を文庫で出すために文学賞受賞作だけをまとめたのだという。著者の作品を読むのは『極楽・大祭・皇帝』に続いて二冊…
ジャン=パトリック・マンシェット『眠りなき狙撃者』中条省平訳,河出文庫,2014年。 『愚者が出てくる,城寨が見える』から続けざまに読む。プロットの緻密さや映像の鮮明さに鑑みて,全体的な完成度はこちらの方が高いと思う。原題が予示する最後の一段落…
マンシェット『愚者が出てくる,城寨が見える』中条省平訳,光文社古典新訳文庫,2009年。 6年前に梅田の紀伊國屋で「ほんのまくら」フェアというのをやっていて,そこで買った本だったと思う。買ったはいいが一ページ目から人間が惨殺されるのでついていけ…