今週読んだ本
- 三中信宏『系統樹思考の世界: すべてはツリーとともに』講談社現代新書,2006年。
- ――『分類思考の世界: なぜヒトは万物を「種」に分けるのか』講談社現代新書,2009年。
- 納富信留『ソフィストと哲学者の間: プラトン『ソフィスト』を読む』名古屋大学出版会,2002年。
『系統樹思考の世界』『分類思考の世界』
『系統樹思考の世界』は何年も前から積読していた本。オルガノンを読んでいると「種とか類って何?」という疑問が当然出てくるので,今だとどうなってるのかしら,と思い本棚から引っ張り出してきた。もっとも同書はこの問いに直接答えるものではない。むしろそうした概念の根底にあり,われわれが素朴な心理的性向として有する「分類思考」と対立する「系統樹思考」が論じられる。「世界の ”継ぎ目” を見つけようとしたギリシャ時代の存在論」(『分類思考の世界』,270頁) を学んでいる人間が無視できない問いかけがなされている。
参考文献のうち,ポパー『開かれた社会とその敵』,ウィギンズ Sameness and Substance Renewed はどうしても読まないといけない (前者を「なんか政治思想の本でしょう」くらいに思って脳内の目録に入れていなかった不明を恥じている)。中尾佐助『分類の発想』,西村三郎『文明の博物学』,ギンズブルグ『神話・寓意・徴候』も面白そうなので確認したい。しかし何より生物学 (哲学) の勉強をしないと反分類思考の気持ちがわからないと思う。
『ソフィストと哲学者の間』
実は未読だった。まあまだ何度か読まないといけない。特に中央部の議論がどういう感じなのか摑めていない。