2020-01-01から1年間の記事一覧
David Wiggins (2019) Sameness and Substance Renewed, Oxford University Press. "Preamble, chiefly concerned with matters methodological and terminological". 1-20 [うち 1-7 (§1-3)]. 前書きの前半1/3.こんなに読み進まないとは思わなかった.難し…
鹿子生浩輝 (2019)『マキァヴェッリ』岩波新書. 『君主論』を中心とするマキァヴェッリの入門書.マキァヴェッリの人物像を当時の政治状況とともに簡単に述べた後 (第1章),いわゆるマキァヴェリズムを説く書という『君主論』の通俗的イメージの誤りを指摘…
北杜夫 (1965)『どくとるマンボウ航海記』新潮文庫. 1960年刊行.58-9年に船医として調査船に乗り込みユーラシア大陸を周遊したことを記したエッセイ.大半がほら話とやや乱暴な冗談で構成されていて,あげく「われ信ず,荒唐無稽なるがゆえに」と締め括る…
山口輝臣 (1999)『明治国家と宗教』東京大学出版会. 明治期 (とりわけ宗教という観念が一定の定着を見た明治10年代以降) の日本における諸宗教をめぐる政策の形成・変容を,その背後にある「宗教」そのものの意味の変化まで見据えつつ,実証的に明らかにす…
森鷗外 (2013)『鷗外近代小説集』第一巻,岩波書店. 「うたかたの記」(1890)「舞姫」(1890)「文づかひ」(1891)「ヰタ・セクスアリス」(1909),その他幾つかの小品を収める.前三者は『水沫集』(1892) 所収の短編で,いずれも擬古文体の洋行もの.「舞姫」以…
月村了衛 (2017)『機龍警察〔完全版〕』ハヤカワ文庫. 初版2010年刊行.近未来日本の警視庁特捜部に設けられた部局 SIPD (ポリス・ドラグーン) による,全貌の見えない組織との暗闘を描く SF 警察小説.キャラの立っている登場人物たち,キャッチーな台詞回…