2019-03-12 ルーベンスタイン『中世の覚醒』 読書 リチャード・E. ルーベンスタイン『中世の覚醒: アリストテレス再発見から知の革命へ』小沢千重子訳,ちくま学芸文庫,2018年。 アリストテレスのインパクトを中心にすえながら,中世を通じた理性と信仰をめぐる様々なイデオロギーの角逐を描いている。哲学者や神学者が書く中世思想史とはかなり趣が違った叙述になっていると思う。やや分厚いけれどもリーダブルなので万人に勧められる。伝記的叙述も楽しい(最大のヒーローはアリストテレスだがアベラールの章なんかもノリノリで,彼が死ぬくだりには「弁証法の達人,逝く」というすごい見出しが付いている)。