アカデメイアのディアレクティケー実践 Ryle, "Dialectic in the Academy"
- Gilbert Ryle (1968) "Dialectic in the Academy" in G. E. L. Owen (ed.) Aristotle on Dialectic: The Topics. Proceedings of the Third Symposium Aristotelicum. Oxford: Clarendon Press.
主な主張は次の2つ。
- プラトンはアカデメイアで問答法を (したがって哲学を,少なくともアリストテレスが生徒であった頃には) 教えていない。アリストテレスが初めて体系化し,教え始めた。
- 年長者の間で問答法実践は行われており,特に競技的な論争を通じて論証が蓄積された。
どちらもかなり挑発的に見える。さしあたり廣川『プラトンの学園』を確認する必要がある。(I)『ポリテイア』7巻のソクラテスの議論を文字通りにプラトンの意見として取って良いのか,(II) 3節後半の描像はどの程度尤もらしいか,(III) 4節の議論はどうか,はかなり検討の余地があるだろう。また (I) に関連する5節の結論が宙吊りになっているのも少し落ち着かない。
続きを読む4月に読んだ本
- 竹村和子『フェミニズム』(思考のフロンティア) 岩波書店,2000年。
- ポール・ポートナー『意味ってなに?:形式意味論入門』勁草書房,2015年。
- 山口義久『アリストテレス入門』ちくま新書,2001年。[再読]
- マルティン・ハイデッガーほか『ハイデッガー カッセル講演』平凡社ライブラリー,2006年。
- 香西秀信『反論の技術: その意義と訓練方法』明治図書出版,1995年。
- 高橋哲哉『デリダ』(現代思想の冒険者たち) 講談社,1998年。
- 井上忠・山本巍編訳『ギリシア哲学の最前線 2』東京大学出版会,1986年。
- 山内志朗『ぎりぎり合格への論文マニュアル』平凡社新書,2001年。
- J. G. A. ポーコック『徳・商業・歴史』みすず書房,1993年。
- 戸田山和久『知識の哲学』産業図書,2002年。[再読]
- 岸政彦『断片的なものの社会学』朝日出版社,2015年。
- エルヴィン・パノフスキー『〈象徴形式〉としての遠近法』ちくま学芸文庫,2009年。
満足な読書記録をつける習慣がどうしても身につかない。専門論文の情報は scrapbox で別途管理することにしたけれど,それもどれくらい続くか分からない。
続きを読む3月に読んだもの
- 第2週
- 第3週
- 第4週
- C. W. A. Whitaker, Aristotle's De Interpretatione (Oxford: Clarendon Press, 1996).
- G. E. L. Owen, "Inherence" in Phronesis 10(1), 97-105 (1965).
- P. Simons, "On Understanding Leśniewski" in Philosophy and Logic in Central Europe from Bolzano to Tarski (Dordrecht: Springer, 1992).
- 第5週
正確には3/6-31。記録をつけていなかった文献もあり,それらについてはあまり何も書いてない。本と論文を一括したが分けたほうがいいかもしれない。そもそも4年生になるのだからフラフラせず卒論関連の哲学文献に傾注すべきだという話もある。
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