4月に読んだ本
- 竹村和子『フェミニズム』(思考のフロンティア) 岩波書店,2000年。
- ポール・ポートナー『意味ってなに?:形式意味論入門』勁草書房,2015年。
- 山口義久『アリストテレス入門』ちくま新書,2001年。[再読]
- マルティン・ハイデッガーほか『ハイデッガー カッセル講演』平凡社ライブラリー,2006年。
- 香西秀信『反論の技術: その意義と訓練方法』明治図書出版,1995年。
- 高橋哲哉『デリダ』(現代思想の冒険者たち) 講談社,1998年。
- 井上忠・山本巍編訳『ギリシア哲学の最前線 2』東京大学出版会,1986年。
- 山内志朗『ぎりぎり合格への論文マニュアル』平凡社新書,2001年。
- J. G. A. ポーコック『徳・商業・歴史』みすず書房,1993年。
- 戸田山和久『知識の哲学』産業図書,2002年。[再読]
- 岸政彦『断片的なものの社会学』朝日出版社,2015年。
- エルヴィン・パノフスキー『〈象徴形式〉としての遠近法』ちくま学芸文庫,2009年。
満足な読書記録をつける習慣がどうしても身につかない。専門論文の情報は scrapbox で別途管理することにしたけれど,それもどれくらい続くか分からない。
『意味ってなに?』
形式意味論の非形式的な入門書。訳者解説では further reading として80-90年代の formal な概説書が挙げられているが,本書刊行後に和書の入門書が新たにいくつか出ているようだ。
『カッセル講演』
I.「『真理と方法』初稿冒頭」,II.「カッセル講演」,III.「マルティン・ハイデッガーと『文学研究との精神史のためのドイツ季刊誌』の草創期」。I. と III. はほとんど専門的な問題関心の域を出ないと思うのだけれど,どうしてこんな構成で出したのか不思議。II. はディルタイ論だがそれほどディルタイに関心がなくとも面白く読めた。とりわけ 76-82 頁のフッサール論など。
『デリダ』
『ギリシア哲学の最前線 2』
ギリシア哲学 (この巻についてはアリストテレス) の analytic な解釈の,この辺りが最良のものだったのだろう,と思うと興味深い。「存在論の罠」論文は――一番優先度が高い論文だが――全然読み解けなかった。原文をじっくり読み直すほかない。
『断片的なものの社会学』
良質なエッセイ集。執筆動機はイントロダクションと冒頭二編であきらかにされる。「断片的なもの」とは「どうしても分析も解釈もできないこと」(7頁) の謂いである。だから標題はあからさまな逆説であって,それがどういう逆説なのかということは気にならなくもない。
『〈象徴形式〉としての遠近法』
何だか難しそうでずっと積んでいたのだけど,読んでみると面白かった。ストーリーラインもそれほど複雑ではないと思う (ただもちろん脚注に回されている美術史学的な考証は全然追えていない)。なされている議論の意義はカッシーラーを読んでから判断したい。