『ソフィスト的論駁』2-3 問答の分類,争論の目標

SE 2-3.


さて,問答することにおける言論には四つの種類がある.すなわち,教示的言論,問答的言論,試行的言論,および争論的言論である.教示的言論とは,学ばれる事柄の各々に固有の諸原理から推論し,答え手の考えから推論するのではない言論であり (というのも,学ぶ人が確信する必要があるから),問答的言論は矛盾言明についてのエンドクサから推論する言論であり,試行的言論とは答え手に思われていて,知識を持っていると装う人が知っている必要のあることどもからの推論であり (そのやり方は別の論考で規定された),争論的言論とは,現れの上でエンドクサであるが,実際はそうではない推論的言論,あるいは推論的だという見かけを取る言論である.

さて,論証的議論については『分析論』で語られ,問答法的言論と試行的言論については他の論考で語られた.闘争的で争論的な言論について,いま私たちは語ろう.

さて,言論において闘争し勝利を欲する人々がどれだけのことをねらうのかを把握する必要がある.それらは数としては五つである.すなわち,論駁,虚偽,逆説,文法違反,そして第五に,問答の答え手に冗漫にものを言わせることであり (これは同じことを何度も語ることを強いることである),あるいはそれらの各々がそうあるのではないが,そのような現れを取ることである.すなわち,彼らがとりわけ選択するのは,論駁しているように見えることであり,第二に何らか虚偽を述べていることを示すこと,第三に逆説へと導くこと,第四に文法違反を起こすこと (これは議論から答え手に語法において聞き苦しい物言いをさせることである),最後に同じことを何度も言わせることなのである.

要旨

  • 問答における言論の種類は四つある:
    • 教示的言論: 学知の固有原理を前提とする推論.
    • 問答的言論: 矛盾言明についてのエンドクサを前提とする推論.
    • 試行的言論: 答え手に正しいと思われており,かつ,知識を持っていると装う人が知っているべき事柄を前提とする推論.
    • 争論的推論: エンドクサの現れを持つがエンドクサではないものを前提とする推論,あるいは推論の現れを持つ言論.
    • 以下では4つ目を主題とする.
  • 争論の目標は五つある: 論駁虚偽逆説文法違反冗語,およびそのような見かけ.
    • 順番に,(1) 論駁の見かけを取ること,(2) 虚偽であると示すこと,(3) 逆説に導くこと,(4) 聞き苦しい語法を強いること,(5) 同じことを何度も言わせること,をねらいとする.

先行研究

  • Hecquet: πιστεύειν τὸν μανθάνοντα - il faut que celui qui apprend accorde sa confiance. 教示的言論は対話者の信頼関係を必要とする (cf. 1, 165a24-26).一方で問答的言論は対立関係のうちにある.また教示的言論には特に試行的言論が対立する (cf. 1, 165a24-28).
  • Hecquet: 「別の論考で規定された」―― ce renvoi à d'autres livres surprend, car dans les traités qui nous ont été transmis, ce sont surtout les Réf. Soph. qui nous informent sur le fonctionnement de l'argument peirastique ... 諸提案につき 95n2.