『ソフィスト』239e-240c εἰκών が「ある」かどうかに関する逆説

Sph. 239e1-240c3.


客人 テアイテトスよ,明らかに君は,ソフィストを見て取っていない.

テアイテトス なぜですか.

客人 彼は君に,両目を閉じているか,そもそも全く持っていないように思われるだろう.

テアイテトス どうしてですか.

客人 君が彼にそのように応答して,鏡や塑像のうちにある何かだと答えて,彼に物が見えているかのように語るなら,彼は鏡も水も,また全くもって見るということも知らないようなふりをして,君の言論を嘲笑うだろう.そして専ら言論からして君に問い尋ねるだろう.

テアイテトス どのようにですか.

客人 それら全てを通じてあるものをだ.それら多くのものを君は述べながら,一つの名前で呼ぶのがふさわしいと考えており,全てについて,一つのものとして「似姿」と言い表したのだ.だから,あの男に屈することなく,語って自分を守りたまえ.

テアイテトス それでは,お客人,似姿とは「真なることに似せられた別のそうしたもの」であるという以外に,私たちはどう言えるでしょうか.

客人 「君が言うのは,別のそうした真なるものか,それとも何のことを「そうしたもの」と言ったのかね」.

テアイテトス「全く真なるものではないが,しかし似てはいるものです1」.

客人 「その際,真なるものとは,本当にオントースあるものとして述べているのかね」.

テアイテトス「そうです」.

客人「ではどうだろう.真ではないものは,真なるものの反対だろうか」.

テアイテトス「もちろん」.

客人「では,似ているものは本当にあるものではないと君は言うのだ,まさにそれが真なるものではないと言う以上は」.

テアイテトス「しかし少なくとも,ある仕方ではあるのです」.

客人「少なくとも,本当にはありはしないと君は主張している」.

テアイテトス 「ええ,本当にありはしません.本当に似姿ですが」.

客人「では,本当にありはしないが,本当に,似姿であると私たちが語るもの,であるのか」.

テアイテトス ――何かそうした結合によって,〈ありはしないもの〉は〈あるもの〉と絡み合っているのかもしれません,非常に奇妙なことに.

Ξένος τὴν ἀπόκρισιν ὅταν οὕτως αὐτῷ διδῷς ἐὰν ἐν κατόπτροις ἢ πλάσμασι λέγῃς τι, καταγελάσεταί σου τῶν λόγων, ὅταν ὡς βλέποντι λέγῃς αὐτῷ, προσποιούμενος οὔτε κάτοπτρα οὔτε ὕδατα γιγνώσκειν οὔτε τὸ παράπαν ὄψιν, τὸ δ᾽ ἐκ τῶν λόγων ἐρωτήσει σε μόνον.

Θεαίτητος ποῖον;

Ξένος τὸ διὰ πάντων τούτων ἃ πολλὰ εἰπὼν ἠξίωσας ἑνὶ προσειπεῖν ὀνόματι, φθεγξάμενος "εἴδωλον" ἐπὶ πᾶσιν ὡς ἓν ὄν. λέγε οὖν καὶ ἀμύνου μηδὲν ὑποχωρῶν τὸν ἄνδρα.

Θεαίτητος τί δῆτα, ὦ ξένε, εἴδωλον ἂν φαῖμεν εἶναι πλήν γε "τὸ πρὸς τἀληθινὸν ἀφωμοιωμένον ἕτερον τοιοῦτον;"

Ξένος "ἕτερον δὲ λέγεις τοιοῦτον ἀληθινόν, ἢ ἐπὶ τίνι τὸ τοιοῦτον εἶπες;"

Θεαίτητος "οὐδαμῶς ἀληθινόν γε, ἀλλ᾽ ἐοικὸς μέν."

Ξένος "ἆρα τὸ ἀληθινὸν ὄντως ὂν λέγων;"

Θεαίτητος "οὕτως."

Ξένος "τί δέ; τὸ μὴ ἀληθινὸν ἆρ᾽ ἐναντίον ἀληθοῦς;"

Θεαίτητος "τί μήν;"

Ξένος "οὐκ ὄντως ὂν ἄρα λέγεις τὸ ἐοικός, εἴπερ αὐτό γε μὴ ἀληθινὸν ἐρεῖς."

Θεαίτητος "ἀλλ᾽ ἔστι γε μήν πως."

Ξένος "οὔκουν ἀληθῶς γε, φῄς."

Θεαίτητος "οὐ γὰρ οὖν: πλήν γ᾽ εἰκὼν ὄντως."

Ξένος "οὐκ ὂν ἄρα οὐκ ὄντως ἐστὶν ὄντως ἣν λέγομεν εἰκόνα;"

Θεαίτητος ―― κινδυνεύει τοιαύτην τινὰ πεπλέχθαι συμπλοκὴν τὸ μὴ ὂν τῷ ὄντι, καὶ μάλα ἄτοπον.

要約

ソフィストはテアイテトスによる事例の列挙を認めず,似姿の単一の定義を求める.テアイテトスは (1)「真なることに似せられた別のそうしたもの」という定義を与え,(2)「真でないもの」だと付言する.ソフィストはここから,(2')「本当にありはしない」が,(1')「本当に似姿である」という逆説を推論する.

先行研究

  • τὸ δ᾽ ἐκ τῶν λόγων: In this, as in other respects, the Sophistic method is the caricature of that of Socrates. ... The expression in the text perhaps indicates a certain reaction from the idea of basing knowledge on purely abtract definitions. Cf. supra. 234e (Campbell).
  • 以降の議論は以前と異なりソフィスト自身の口から語られている.このことは illicit or at least dubious moves の混入を示唆する (Crivelli).
  • テアイテトスによる似姿の最初の定義はその causal history と similarity を示す (Crivelli)
  • 「X の似姿であり,かつ X でない」から「本当に実在し,かつ実在しない」を導く誤謬推論になっている.これをブロックするには「φ でない」から「実在しない」が導かれないことを示せばよい (257b-c) (Crivelli).

  1. ἀλλὰ … μέν は先行する内容との対比.Cf. Denniston, 378.