『自然学』II 9 #2 条件的必然性 (cont.)

Phys. II 9 200a24-b8. 第二巻終わり.


[200a24] したがって,もし家があるだろうとすれば,これらのことが生じる,または成立する,または総じて何かのための質料 (例えば家であれば煉瓦や石材) があることは必然である.しかしながら,〔質料が〕全くありはしないとすれば,家や鋸もありはしないであろう−−石材がなければ家もないだろうし,鉄がなければ鋸もないだろう.というのも,三角形が二直角〔を有する〕のでないなら,ここにも原理がないだろうから.

[200a30] すると,自然的な事柄における必然的な事柄とは,質料として語られるものであり,また質料の運動であるということは,明らかである.そして,これらの原因は両者とも自然学者によって語られるが,その一方,〈何かのため〉という原因がいっそう〔語られる〕.というのも,それは質料の原因であるが,質料は目的の原因ではないから.そして目的とは〈それのためのそれ〉であり,定義すなわち説明規定から始まりがあるのだ.ちょうど技術に即した事柄において,家とはこのようなものであるから,これらが必然的に生成し成立する必要がある,また健康とはこれであるから,これらが必然的に生成し成立する必要がある,というように,人間がこれであるなら,これらが〔必然的に生成し成立する必要があり〕,これらが〔これこれであるなら〕あれらが〔必然的に生成し成立する必要がある〕.おそらく,説明規定のうちにも,必然的な事柄はある.というのも,鋸で挽くことの働きはこうしたものの分割であると規定したとき,こうした種類の歯をもたなければ,まさにこの分割はないだろう.だが,鉄器でなければ,こうした歯はないだろう.というのも,説明規定のうちにも,説明規定の質料としての幾つかの部分があるからである.

要約

  • (承前) ゆえに,家があるなら,必然的にその特定の種類の質料がある (対偶も成り立つ).
  • 目的は質料の原因であり,その逆は成り立たない.ゆえに,目的がいっそう原因である.
    • 目的は事物の定義となり,そこから必要条件の系列ができる.