2019-04-01から1ヶ月間の記事一覧

プリンチペ『科学革命』

Lawrence M. Principe『科学革命』菅谷暁・山田俊弘訳,2014年。 VSI シリーズ The Scientific Revolution (2011) の訳書。16-7世紀科学がそれ以前の諸学をどう継承し,何を新たに生み出したか,を簡明に解説している。第1章「新しい世界と古い世界」では前…

久米ほか『政治学』

久米郁男ほか『政治学』有斐閣,2003年。 New Liberal Arts Selection の一冊。ざっと目を通したが,あとで補訂版が出ているのに気付いた。とはいえ章構成は同じ。政治学全体がカヴァーされているのかは判らないが,少なくともトピックは幅広い。章末に簡単…

『国家』第1巻の論証構造 Nawar, "Thrasymachus' Unerring Skill"

Tamer Nawar (2018) "Thrasymachus' Unerring Skill and the Arguments of Republic 1", Phronesis 63 (4), 359-391. 再読。授業準備。ざっくり要約する (結論部は省略)。この論文のよいところは,「トラシュマコスはどういう主義なのか」という (刺激的だが…

カテゴリー論の発展史 Kahn, "Questions and Categories"

Charles H. Kahn (1978) "Questions and Categories" in H. Hiż (ed.) Questions (Synthese Language Library), Dordrecht: D. Reidel, 227-278. アリストテレスのカテゴリー論を総観的に論じる論文。内容上序論と本論からなる。序論としては,まずカント以…

佐藤康宏『日本美術史』

佐藤康宏『日本美術史』放送大学教育振興会,2014年。 一週間ほど前に読んだのだけど記録を忘れていた。美術史専攻の人に勧められた本。縄文土器から戦中期の美術までを扱う。対象のもつ様々な特徴を記述に落とし込む手つきの鮮やかさが印象に残る。なかでも…