佐藤康宏『日本美術史』

一週間ほど前に読んだのだけど記録を忘れていた。美術史専攻の人に勧められた本。縄文土器から戦中期の美術までを扱う。対象のもつ様々な特徴を記述に落とし込む手つきの鮮やかさが印象に残る。なかでも例えば著者が「おそらく日本の彫刻すべての中でも最も魅力的なもののひとつ」と評価する神護寺の「薬師如来立像」の作品記述 (65-8頁) などは水際立っていると感じる。ただ放送大学の教科書という書籍の性格上どうしても図版が白黒になり点数も少ないのが初学者には難儀だった。