松村一男『神話学入門』

松村一男『神話学入門』講談社学術文庫,2019年。 『神話学講義』(角川書店,1999年) の文庫版。神話学の学説史。ミュラー,フレイザー,デュメジル,レヴィ=ストロース,エリアーデ,キャンベルの6人を中心に論じる。大学の講義を元にしたものらしく,叙述…

森本あんり『異端の時代』

森本あんり『異端の時代』岩波新書,2018年。 神学者による正統/異端論。叙述は三つのトピックを行き来する。第一にキリスト教における正統と異端のあり方,第二に正統/異端概念全般の問い直し,第三にそれに基づく現代文明批評。

『自然学』A3 #3 論理的分割に基づく一元論批判。エレア派批判の結論

Phys. 186b14-187a11. A巻3章終わり。次章から「自然学者」の検討に入る。

『魂について』Γ3 #1 直知の物質的説明の棄却

De An. Γ3 427a17-427b6. 昨日の読書会の範囲。底本は Hicks. Γ3 は φαντασία に関して研究文献が数多ありそう。

バンヴェニスト「術語 scientifique の成立過程」

エミール・バンヴェニスト (2013)「術語 scientifique の成立過程」『言語と主体: 一般言語学の諸問題』阿部宏監訳,前嶋和也・川島浩一郎訳,岩波書店,252-258頁。 パラパラめくっていたら興味深い一文に行き当たった。« scientifique » というフランス語…

SEP「形而上学的根拠付け」Bliss and Trogdon, "Metaphysical Grounding" #1

SEP

Ricki Bliss and Kelly Trogdon (2016) "Metaphysical Grounding" The Stanford Encyclopedia of Philosophy (Winter 2016 Edition), Edward N. Zalta (ed.), pp.1-15. ここ数ヶ月アリストテレスの αἰτία 論を勉強していて,現代で対応する議論となると一つ…

滝口『ヘーゲル哲学入門』

滝口清栄『ヘーゲル哲学入門』社会評論社,2016年。 川瀬和也さんのヘーゲル入門書紹介 (http://kkawasee.hatenablog.com/entry/2018/08/07/173302) で挙げられているものをちょっとずつ読む (長谷川本,加藤記事は既読)。 通時的にヘーゲルの思想を追うスタ…

『自然学』A3 #2 パルメニデス批判

Phys. A3 186a22-b14. まあパルメニデスが絡む議論は難しい。いかにも哲学ぽくて楽しくはあるけど。あと何も考えずに訳すと全く読める日本語にならない。

ビアード『SPQR』

メアリー・ビアード (2018) 『SPQR: ローマ帝国史』上下巻,亜紀書房。 邦訳の副題は「ローマ帝国史」だけれども,実際は建国神話の時代からの通史になっている (下限はカラカラ帝期)。原題は SPQR: A History of Ancient Rome.

チウ『ここではないどこかへの欲求』

Agnes Chew (2017) The Desire for Elsewhere, Math Paper Press. シンガポールの作家による韻文を交えた一種の旅行エッセイ。ブックデザインが優れている。内容には特筆すべき点はない。 Math Paper Press はシンガポールの書店 BooksActually が7年前に始…

黒田『行為と規範』

黒田亘 (1992)『行為と規範』勁草書房。 一月から読んだものを記録しておく。 黒田亘 (1928-1989) の遺稿集。二部からなり,I「行為と規範」は放送大学のテキストの再録,II「志向性と因果性」は標題のテーマに関する三篇の公刊論文。

『自然学』A3 #1 メリッソスの論証の批判的検討

Phys. A3 186a4-22. 今回は短め (一応 OCT の段落分けに従っている)。2章の議論よりは内在的な論点を提出している。

『自然学』A2 #4 〈一つ〉の分析を通じたエレア派批判

Phys. A2 185b5-186a3. ギリシア語がやや省略的で難しい。今回の箇所との対応に鑑みれば,前回の標題はむしろ「〈全てのもの〉の分析を通じたエレア派批判」とすべきだったかもしれない。A巻2章はここまで。

『自然学』A2 #3 カテゴリー論に基づくメリッソス批判

Phys. A2 185a20-b5. よく言って鮮やかな,わるく言えば身も蓋もない論証。依拠する理論の当否や歴史的メリッソスへのその適用の可能性は当然別途考えるべきところ。

『自然学』A2 #2 エレア派批判の準備

Phys. A2 184b25-185a20.

SEP「論理学と存在論」 Hofweber, "Logic and Ontology" #2

SEP

Thomas Hofweber (2018) "Logic and Ontology" The Stanford Encyclopedia of Philosophy (Summer 2018 Edition), Edward N. Zalta (ed.), pp.16ff. 記事「論理と存在論」の後半部 (第4章)。なお第5章「結論」は省略する。前半部では「論理学 (L)」「存在論 …

SEP「論理学と存在論」 Hofweber, "Logic and Ontology" #1

SEP

Thomas Hofweber (2018) "Logic and Ontology" The Stanford Encyclopedia of Philosophy (Summer 2018 Edition), Edward N. Zalta (ed.), pp.1-16. これも長くなりそうなので (かつ区切りやすそうなので) 半分に区切る。「論理学」「存在論」を腑分けすると…

アリストテレス『自然学』A2 #1 原理の数と本性の問い

つづいて第二章。今回は導入部だけ。

アリストテレス『自然学』A1

『自然学』をちょっとずつ読んでいくことにする。B巻までは読み切りたい。とりあえず OCT (Ross) のテクストを用い,Ross, Charlton, 内山の訳と注解を参照する。残念ながら大学図書館になく,すぐに入手できる見込みもないけれども,最近の研究書として D. …

論証理論における換位可能な命題の役割 Inwood, "A Note on Commensurate Universals"

Brad Inwood (1979) "A Note on Commensurate Universals in the Posterior Analytics" Phronesis 24(3), 320-329. 共外延的命題と論証の説明力との繋がりを論じた論文。僅か10頁だが極めて内容が濃く難しい (明晰に書かれてはいると思うのだけど)。特に後半…

論証は教育の手段である Barnes, "Aristotle's Theory of Demonstration"

Jonathan Barnes (1969) "Aristotle's Theory of Demonstration" Phronesis 14(2), 123-152. (I) アリストテレスの論証理論と科学的実践の乖離について問題提起し,(II) 考えうるいくつかの解決策を斥け,(III) Barnes 自身の解決策を提示し,(IV) 関連する…

アリストテレス的学知の構成要素 Hintikka, "On the Ingredients of Aristotelian Science"

Jaakko Hintikka (1972) "On the Ingredients of Aristotelian Science". Noûs 6, 55-69. 解釈枠組みをめぐる議論の構図を再確認するよう勧められたので,その手の論文をいくつかちゃんと読むことにする。

『後書』の ἐπιστήμη は「理解」のことである Burnyeat, "Aristotle on Understanding Knowledge"

Burnyeat, Miles "Aristotle on Understanding Knowledge" in E. Berti (ed.), Aristotle on Science: The Posterior Analytics. Padua: Antenore. 97-139. 『後書』の ἐπιστήμη は knowledge より understanding を意味し,両者の違いを識別することがテク…

自体性 McKirahan, Principles and Proofs #7

McKirahan, Richard D. Principles and Proofs: Aristotle's Theory of Demostrative Science. Princeton: Princeton University Press. 80-102. 本章では主に以下の箇所が検討される: A4, 6. 話が段々ややこしくなってきた。

今週読んだ本

加藤秀一『はじめてのジェンダー論』有斐閣ストゥデイア,2017年。 ロレンス・スターン『トリストラム・シャンディ』下巻,朱牟田夏雄訳,1969年。

今週読んだ本

G. E. R. ロイド『初期ギリシア科学: タレスからアリストテレスまで』山野耕治・山口義久訳,法政大学出版局,1994年。 ローレンス・スターン『トリストラム・シャンディ』中巻,朱牟田夏雄訳,岩波文庫,1969年。 ハーバート・A・サイモン『経営行動: 経営…

アリストテレスの σημαίνειν 概念 Irwin, "Aristotle's concept of signification"

Irwin, T. H. "Aristotle's concept of signification" in Malcolm Schofield, Martha Craven Nussbaum (eds.) Lanugage and Logos: Studies in ancient Greek philosophy presented to G. E. L. Owen. Cambridge: Cambridge University Press. 241-266. ア…

論証における公理の役割 McKirahan, Principles and Proofs #6

McKirahan, Richard D. Principles and Proofs: Aristotle's Theory of Demostrative Science. Princeton: Princeton University Press. 68-79. 本章では以下の箇所が検討される: A10 76a38-b2, A11 77a10-25.

今週読んだ本

斎藤憲『ユークリッド『原論』とは何か: 二千年読みつがれた数学の古典』岩波書店,2008年。 熊野純彦『レヴィナス: 移ろいゆくものへの視線』岩波現代文庫,2017年。

学問間の下属関係 McKirahan, Principles and Proofs #5

McKirahan, Richard D. Principles and Proofs: Aristotle's Theory of Demostrative Science. Princeton: Princeton University Press. 64-67. 本章では以下の箇所が検討される: A7 75a38-b20, A13 79a4-6. ごく短い章。 『オプティカ』を根拠に Ar. の下属…