『自然学』II 2 #1 自然学と数学の相違点

Phys. II 2, 193b22-194a12. Phys. II 1 についてハイデガーの論文があるというので見てみたが*1,なんらテクスト理解に資する文章ではなかった。 *1:「ピュシスの本質と概念とについて。アリストテレス,自然学 B, 1」『ハイデッガー全集 第9巻 道標』創文…

『自然学』II 1 #2 質料としての自然・形相としての自然

Phys. II 1, 193a9-b21.

『自然学』II 1 #1 運動の原理としての自然

Phys. II 1, 192b8-193a9. 一章前半部。 Ross, Charlton のほかに Couloubaritsis の注解*1を参照する。Wagner の注解も見ておくとよいのかもしれないが現在手元にない。 *1:Lambros Couloubaritsis (1991) Sur la Nature (Physique II). Paris: Vrin.

『自然学』A9 プラトン主義批判

Phys. A9. Symp. Arist. の担当者は Broadie, Quarantotto 本は Lennox. Broadie は注釈と別立てで A9 のプラトン的背景と (論点先取を正当化する) 対話的文脈,および永遠的運動に関する議論をしているが (pp.314-340),ここではさしあたり省略する。Lennox…

〈として対象〉の理論 Fine (1982) “Acts, Events and Things”

Kit Fine (1982) "Acts, Events and Things" W. Leinfellner, E. Kraemer, and J. Schank (eds.), Sprache und Ontologie. Wien: Hoelder-Pichler-Tempsky. 「そもそも ᾗ/qua って何?」ということを考える手がかりになるかと思ったが,少なくともプラトンや…

『後書』におけるメノンのパラドクスの解決 Bronstein (2016) Aristotle on Knowledge and Learning #1

David Bronstein (2016) Aristotle on Knowledge and Learning. Oxford University Press, 11-27. Ch.1. Meno's Paradox and the Prior Knowledge Requirement. Bronstein (2010) OSAP 38: 115-41 がもとになっている。まだパラドクスの箇所を自分でしっかり…

プラトンにおける語 'τραγικός' の意味 Bluck (1961) "On ΤΡΑΓΙΚΗ"

R. S. Bluck (1961) "On ΤΡΑΓΙΚΗ: Plato, Meno 76e" Mnemosyne 14(4): 289-95. 『メノン』76E における語 'τραγικὴ' の意味に関する20世紀の新奇な諸解釈に反対して従来の解釈を擁護する*1。 *1:メモを取るほどのものでもなかった気もするし,やや現実逃避ぎ…

『自然学』A8 は実在解釈で読める Clarke (2015) "Aristotle and the Ancient Puzzle about Coming to Be"

Timothy Clarke (2015) "Aristotle and the Ancient Puzzle about Coming to Be" Oxford Studies in Ancient Philosophy 49:129-150. 本人も書いているようにかなり素直な (straightforward) 解釈をしている。ただ素直だから正しいというものでもないとは思…

『自然学』A8 の目標はジレンマの形式的解決である Anagnostopoulos (2013) "Aristotle's Parmenidean Dilemma"

Andreas Anagnostopoulos (2013) "Aristotle's Parmenidean Dilemma" Archiv für Geschichte der Philosophie 95(3): 245-274. 述定解釈を採る論文。文章は正直わかりにくいし解釈にもあまり説得されないが,事柄が考え抜かれている印象は受ける。B巻との接…

5-7月に読んだ本

5月 奥村隆 (2014)『社会学の歴史I: 社会という謎の系譜』有斐閣アルマ。 原武史 (2019)『平成の終焉』岩波新書。 山内志朗 (2003)『ライプニッツ: なぜ私は世界にひとりしかいないのか』NHK出版。 日本歴史学会 (2019)『日本歴史』第853号。 G. W. ライプニ…

『自然学』A8 は類に関する原則を扱う Kelsey, "Aristotle Physics I 8"

Sean Kelsey (2006) "Aristotle Physics I 8" Phronesis 51(4): 330-361.

『自然学』A8 エレア派の誤謬の核心

Phys. A8. 本章については近年複数の解釈論文が出ているようだ。Quarantotto 本の担当者は I. Bodnár, Symp. Arist. の担当者は M. Leunissen.

『メタフュシカ』Θ1 能動的/受動的原理としての可能態

Metaph. Θ1 1045b27-1046a19.

『ニコマコス倫理学』II.1 人柄の徳は習慣により形成される

EN II.1 1103a14-b25. 普段読んでいるたぐいの論考より文体が練られていて読みやすい。2巻からなのは Taylor の注解*1を片手に読んでいるから。あまりこだわらずに読み進めたい。 *1:Taylor (2006) Aristotle: Nicomachean Ethics, Books II-IV, Oxford: Cla…

『自然学』A7 #2 原理の数に関する行き詰まりの解決

Phys. A7 190b17-919a22.

近代におけるプレソクラティクスの形成 Laks, The Concept of Presocratic Philosophy #2

André Laks (2018) The Concept of Presocratic Philosophy: Its Origin, Development, and Significance. trans. by Glenn W. Most. Princeton-Oxford: Princeton University Press. 19-34. 第2章は近代的 Presocratics 概念の源流として Zeller / Diels の…

古代における「ソクラテス以前」概念 Laks, The Concept of Presocratic Philosophy #1

André Laks (2018) The Concept of Presocratic Philosophy: Its Origin, Development, and Significance. trans. by Glenn W. Most. Princeton-Oxford: Princeton University Press. 1-18. André Laks (2006) Introduction à la "philosophie présocratique"…

『自然学』A7 #1 生成の基礎に置かれるもの

Phys. A7 前半部 (189b30-191a17). Symposium Aristotelicum の区分に従い7章の前半・後半を分ける。Symp. Arist. の前半部の担当者は B. Morison で,Quarantotto 本では章全体を D. Charles が担当している。特に Morison の議論は啓発的で,また第一印象…

『自然学』A6 原理は三つ必要であるかもしれない

Phys. A6 (189a11-b29). 以下の三節に分ける。 原理は一つでも無限でもない。 原理は三つでありうる。 原理は四つ以上ではない。

『自然学』 A5 #3 原理の性質に関する先行学説の整理

Phys. 188b26-189a10. [188b26] さて,先ほど述べたとおり,こうしたことに関するところまでは,他の人々の大多数も,ほとんど同じ道を辿っていた。というのも,全員が諸要素および彼らの所謂原理を,議論なしに立てているとはいえ,あたかも真理そのものに…

アリストテレスと現代本質主義 Charles, Aristotle on Meaning and Essence #1

アリストテレスと現代本質主義 Charles, Aristotle on Meaning and Essence #1 David Charles (2000) Arisotle on Meaning and Essence, Oxford University Press, pp.4-19. 読む義務があるのに先延ばしにしていた本。第1章は現代の議論の整理だが,不慣れな…

『自然学』A5 #2 変化は反対のものどもの間で起きる

Phys. 188a30-188b26. 再開。ここは Judson がいろいろと難しいことを書いていて,全部は理解できていない。ざっくり分かったことにして読み進める。

ヴォルテール『寛容論』

ヴォルテール『寛容論』中川信訳,中公文庫,2011年。 1762年のトゥールーズで,ある新教徒が子殺しの冤罪で処刑され,残る一家も離散の憂き目に遭った。被害者の姓を取って「カラス事件」と呼ばれるこの迫害に対して,ヴォルテールは名誉回復の運動を起こす…

盛山ほか『社会学入門』

盛山ほか編著 (2017)『社会学入門』ミネルヴァ書房。 社会学の教科書。良書だと思う。社会の諸側面を切り出す形でトピック別に章立てされており,「〇〇 (の) 社会学」についての各々の専門家による要を得た記述を読むことができる。

プリンチペ『科学革命』

Lawrence M. Principe『科学革命』菅谷暁・山田俊弘訳,2014年。 VSI シリーズ The Scientific Revolution (2011) の訳書。16-7世紀科学がそれ以前の諸学をどう継承し,何を新たに生み出したか,を簡明に解説している。第1章「新しい世界と古い世界」では前…

久米ほか『政治学』

久米郁男ほか『政治学』有斐閣,2003年。 New Liberal Arts Selection の一冊。ざっと目を通したが,あとで補訂版が出ているのに気付いた。とはいえ章構成は同じ。政治学全体がカヴァーされているのかは判らないが,少なくともトピックは幅広い。章末に簡単…

『国家』第1巻の論証構造 Nawar, "Thrasymachus' Unerring Skill"

Tamer Nawar (2018) "Thrasymachus' Unerring Skill and the Arguments of Republic 1", Phronesis 63 (4), 359-391. 再読。授業準備。ざっくり要約する (結論部は省略)。この論文のよいところは,「トラシュマコスはどういう主義なのか」という (刺激的だが…

カテゴリー論の発展史 Kahn, "Questions and Categories"

Charles H. Kahn (1978) "Questions and Categories" in H. Hiż (ed.) Questions (Synthese Language Library), Dordrecht: D. Reidel, 227-278. アリストテレスのカテゴリー論を総観的に論じる論文。内容上序論と本論からなる。序論としては,まずカント以…

佐藤康宏『日本美術史』

佐藤康宏『日本美術史』放送大学教育振興会,2014年。 一週間ほど前に読んだのだけど記録を忘れていた。美術史専攻の人に勧められた本。縄文土器から戦中期の美術までを扱う。対象のもつ様々な特徴を記述に落とし込む手つきの鮮やかさが印象に残る。なかでも…

渡辺訳『テアイテトス』

プラトン『テアイテトス』渡辺邦夫訳,光文社古典新訳文庫,2019年。 講談社学術文庫版ちくま学芸文庫版を改訂した新訳。このレーベルの他のギリシア哲学の作品同様,本書にも初学者向けの長めの解説が付されており (350-479頁),その注では現代の研究状況に…