プリンチペ『科学革命』

Lawrence M. Principe『科学革命』菅谷暁・山田俊弘訳,2014年。 VSI シリーズ The Scientific Revolution (2011) の訳書。16-7世紀科学がそれ以前の諸学をどう継承し,何を新たに生み出したか,を簡明に解説している。第1章「新しい世界と古い世界」では前…

久米ほか『政治学』

久米郁男ほか『政治学』有斐閣,2003年。 New Liberal Arts Selection の一冊。ざっと目を通したが,あとで補訂版が出ているのに気付いた。とはいえ章構成は同じ。政治学全体がカヴァーされているのかは判らないが,少なくともトピックは幅広い。章末に簡単…

『国家』第1巻の論証構造 Nawar, "Thrasymachus' Unerring Skill"

Tamer Nawar (2018) "Thrasymachus' Unerring Skill and the Arguments of Republic 1", Phronesis 63 (4), 359-391. 再読。授業準備。ざっくり要約する (結論部は省略)。この論文のよいところは,「トラシュマコスはどういう主義なのか」という (刺激的だが…

カテゴリー論の発展史 Kahn, "Questions and Categories"

Charles H. Kahn (1978) "Questions and Categories" in H. Hiż (ed.) Questions (Synthese Language Library), Dordrecht: D. Reidel, 227-278. アリストテレスのカテゴリー論を総観的に論じる論文。内容上序論と本論からなる。序論としては,まずカント以…

佐藤康宏『日本美術史』

佐藤康宏『日本美術史』放送大学教育振興会,2014年。 一週間ほど前に読んだのだけど記録を忘れていた。美術史専攻の人に勧められた本。縄文土器から戦中期の美術までを扱う。対象のもつ様々な特徴を記述に落とし込む手つきの鮮やかさが印象に残る。なかでも…

渡辺訳『テアイテトス』

プラトン『テアイテトス』渡辺邦夫訳,光文社古典新訳文庫,2019年。 講談社学術文庫版ちくま学芸文庫版を改訂した新訳。このレーベルの他のギリシア哲学の作品同様,本書にも初学者向けの長めの解説が付されており (350-479頁),その注では現代の研究状況に…

笙野頼子『笙野頼子三冠小説集』

笙野頼子『笙野頼子三冠小説集』河出文庫,2007年。 「タイムスリップ・コンビナート」「二百回忌」「なにもしてない」の三作を収める。旧作を文庫で出すために文学賞受賞作だけをまとめたのだという。著者の作品を読むのは『極楽・大祭・皇帝』に続いて二冊…

マンシェット『眠りなき狙撃者』

ジャン=パトリック・マンシェット『眠りなき狙撃者』中条省平訳,河出文庫,2014年。 『愚者が出てくる,城寨が見える』から続けざまに読む。プロットの緻密さや映像の鮮明さに鑑みて,全体的な完成度はこちらの方が高いと思う。原題が予示する最後の一段落…

マンシェット『愚者が出てくる,城寨が見える』

マンシェット『愚者が出てくる,城寨が見える』中条省平訳,光文社古典新訳文庫,2009年。 6年前に梅田の紀伊國屋で「ほんのまくら」フェアというのをやっていて,そこで買った本だったと思う。買ったはいいが一ページ目から人間が惨殺されるのでついていけ…

『魂について』Γ3 #2 ファンタシアーの消極的規定

De An. Γ3 427b27-428a24. 今回あまり注解を読めてない。

『自然学』A5 #1 反対のものを原理とする点で先行学説は正しい

Phys. 188a19-30.

ルーベンスタイン『中世の覚醒』

リチャード・E. ルーベンスタイン『中世の覚醒: アリストテレス再発見から知の革命へ』小沢千重子訳,ちくま学芸文庫,2018年。 アリストテレスのインパクトを中心にすえながら,中世を通じた理性と信仰をめぐる様々なイデオロギーの角逐を描いている。哲学…

『自然学』A4 #3 アナクサゴラス批判の続き

Phys. 188a2-18. 4章終わり。

ブルケルト『ギリシャの神話と儀礼』

ヴァルター・ブルケルト (1985)『ギリシャの神話と儀礼』橋本隆夫訳,リブロポート。[Walter Burkert (1979) Structure and History in Greek Mythology and Ritual. University of California Press.]

『自然学』A4 #2 アナクサゴラス批判

Phys. 187b7-188a2.

桑子敏雄『エネルゲイア』

桑子敏雄『エネルゲイア』東京大学出版会,1993年。 「エネルゲイア」概念を中心に置いてアリストテレス哲学の様々な領域を論じる論文集。第一部「古代アテネの思想空間と「エネルゲイア」の概念」はアリストテレスがエネルゲイア概念を導入するコンテクスト…

モミリアーノ『伝記文学の誕生』

A. モミリアーノ (1982)『伝記文学の誕生』柳沼重剛訳,東海大学出版会。[Arnaldo Momigliano (1971) The Development of Greek Biography, Harvard University Press.] 古代ギリシアにおける伝記の誕生と発展をテーマにした講義録。前5世紀に伝記・自伝の起…

『魂について』Γ3 #2 感覚・ファンタシアー・思考は互いに異なる

De An. Γ3 427b7-26.

『自然学』A4 #1 自然学説の分類,アナクサゴラス理論の前提

Phys. 187a12-b7.

スカール,カロウ『魔女狩り』

ジェフリ・スカール,ジョン・カロウ (2004)『魔女狩り』(ヨーロッパ史入門) 小泉徹訳,岩波書店。[G. Scarre, J. Callow (2001) Witchcraft and Magic in Sixteenth- and Seventeenth-Century Europe, 2nd ed., Palgrave.] 標題のトピックについての概説書…

SEP「形而上学的根拠付け」Bliss and Trogdon, "Metaphysical Grounding" #2

SEP

Ricki Bliss and Kelly Trogdon (2016) "Metaphysical Grounding" The Stanford Encyclopedia of Philosophy (Winter 2016 Edition), Edward N. Zalta (ed.), pp.16ff. 記事の後半部。前半部は根拠付け概念そのものの内実を議論していたが,以下では様々な応…

松村一男『神話学入門』

松村一男『神話学入門』講談社学術文庫,2019年。 『神話学講義』(角川書店,1999年) の文庫版。神話学の学説史。ミュラー,フレイザー,デュメジル,レヴィ=ストロース,エリアーデ,キャンベルの6人を中心に論じる。大学の講義を元にしたものらしく,叙述…

森本あんり『異端の時代』

森本あんり『異端の時代』岩波新書,2018年。 神学者による正統/異端論。叙述は三つのトピックを行き来する。第一にキリスト教における正統と異端のあり方,第二に正統/異端概念全般の問い直し,第三にそれに基づく現代文明批評。

『自然学』A3 #3 論理的分割に基づく一元論批判。エレア派批判の結論

Phys. 186b14-187a11. A巻3章終わり。次章から「自然学者」の検討に入る。

『魂について』Γ3 #1 直知の物質的説明の棄却

De An. Γ3 427a17-427b6. 昨日の読書会の範囲。底本は Hicks. Γ3 は φαντασία に関して研究文献が数多ありそう。

バンヴェニスト「術語 scientifique の成立過程」

エミール・バンヴェニスト (2013)「術語 scientifique の成立過程」『言語と主体: 一般言語学の諸問題』阿部宏監訳,前嶋和也・川島浩一郎訳,岩波書店,252-258頁。 パラパラめくっていたら興味深い一文に行き当たった。« scientifique » というフランス語…

SEP「形而上学的根拠付け」Bliss and Trogdon, "Metaphysical Grounding" #1

SEP

Ricki Bliss and Kelly Trogdon (2016) "Metaphysical Grounding" The Stanford Encyclopedia of Philosophy (Winter 2016 Edition), Edward N. Zalta (ed.), pp.1-15. ここ数ヶ月アリストテレスの αἰτία 論を勉強していて,現代で対応する議論となると一つ…

滝口『ヘーゲル哲学入門』

滝口清栄『ヘーゲル哲学入門』社会評論社,2016年。 川瀬和也さんのヘーゲル入門書紹介 (http://kkawasee.hatenablog.com/entry/2018/08/07/173302) で挙げられているものをちょっとずつ読む (長谷川本,加藤記事は既読)。 通時的にヘーゲルの思想を追うスタ…

『自然学』A3 #2 パルメニデス批判

Phys. A3 186a22-b14. まあパルメニデスが絡む議論は難しい。いかにも哲学ぽくて楽しくはあるけど。あと何も考えずに訳すと全く読める日本語にならない。

ビアード『SPQR』

メアリー・ビアード (2018) 『SPQR: ローマ帝国史』上下巻,亜紀書房。 邦訳の副題は「ローマ帝国史」だけれども,実際は建国神話の時代からの通史になっている (下限はカラカラ帝期)。原題は SPQR: A History of Ancient Rome.