『後書』の ἐπιστήμη は「理解」のことである Burnyeat, "Aristotle on Understanding Knowledge"

Burnyeat, Miles "Aristotle on Understanding Knowledge" in E. Berti (ed.), Aristotle on Science: The Posterior Analytics. Padua: Antenore. 97-139. 『後書』の ἐπιστήμη は knowledge より understanding を意味し,両者の違いを識別することがテク…

自体性 McKirahan, Principles and Proofs #7

McKirahan, Richard D. Principles and Proofs: Aristotle's Theory of Demostrative Science. Princeton: Princeton University Press. 80-102. 本章では主に以下の箇所が検討される: A4, 6. 話が段々ややこしくなってきた。

今週読んだ本

加藤秀一『はじめてのジェンダー論』有斐閣ストゥデイア,2017年。 ロレンス・スターン『トリストラム・シャンディ』下巻,朱牟田夏雄訳,1969年。

今週読んだ本

G. E. R. ロイド『初期ギリシア科学: タレスからアリストテレスまで』山野耕治・山口義久訳,法政大学出版局,1994年。 ローレンス・スターン『トリストラム・シャンディ』中巻,朱牟田夏雄訳,岩波文庫,1969年。 ハーバート・A・サイモン『経営行動: 経営…

アリストテレスの σημαίνειν 概念 Irwin, "Aristotle's concept of signification"

Irwin, T. H. "Aristotle's concept of signification" in Malcolm Schofield, Martha Craven Nussbaum (eds.) Lanugage and Logos: Studies in ancient Greek philosophy presented to G. E. L. Owen. Cambridge: Cambridge University Press. 241-266. ア…

論証における公理の役割 McKirahan, Principles and Proofs #6

McKirahan, Richard D. Principles and Proofs: Aristotle's Theory of Demostrative Science. Princeton: Princeton University Press. 68-79. 本章では以下の箇所が検討される: A10 76a38-b2, A11 77a10-25.

今週読んだ本

斎藤憲『ユークリッド『原論』とは何か: 二千年読みつがれた数学の古典』岩波書店,2008年。 熊野純彦『レヴィナス: 移ろいゆくものへの視線』岩波現代文庫,2017年。

学問間の下属関係 McKirahan, Principles and Proofs #5

McKirahan, Richard D. Principles and Proofs: Aristotle's Theory of Demostrative Science. Princeton: Princeton University Press. 64-67. 本章では以下の箇所が検討される: A7 75a38-b20, A13 79a4-6. ごく短い章。 『オプティカ』を根拠に Ar. の下属…

〈基礎に置かれる類〉の意義,要素,および想定根拠 McKirahan, Principles and Proofs #4

McKirahan, Richard D. Principles and Proofs: Aristotle's Theory of Demostrative Science. Princeton: Princeton University Press. 50-63. 本章では以下の箇所が検討される: A7 75a38-b20, A9 76a16-23, A32 88a31-88b29.

共通感覚の導入に向けた反物質主義的弁証 Maudlin, "De Anima III 1"

Maudlin, Tim (1986) "De Anima III 1: is any Sense Missing?" Phronesis 31, 51-67. 『魂について』3巻1章前半部を,Ar. 自身の主張の論証としてではなく,Ar. とエンペドクレス的物質主義との弁証法的議論として読むことを提案する論文。後者の解釈では「…

『後書』の定義と基礎措定の概念 (II) 酒井「基礎措定と定義について」

酒井健太朗 (2016)「アリストテレス『分析論後書』第1巻第2章 72a18-24 における基礎措定と定義について」『西洋古典学研究』64, 27-38.

『後書』の定義と基礎措定の概念 (I) Landor, "Definitions and Hypotheses"

Landor, Blake (1981) "Definitions and Hypotheses in Posterior Analytics 72a19-25 and 76b35-77a4" Phronesis 26, 308-318. 『後書』A巻の基礎措定 (ὑπόθεσις) と定義 (ὅρος/ὁρισμός) の内容確定を目指す論考。

今週読んだ本

廣瀬雅代,稲垣佑典,深谷肇一『サンプリングって何だろう: 統計を使って全体を知る方法』(岩波科学ライブラリー 271) 岩波書店,2018年。 長谷川宏『新しいヘーゲル』講談社現代新書,1997年。 『サンプリングって何だろう』 表題通りの啓蒙書。一章が統計…

アリストテレスの説明要因 (αἰτία) の理論 Moravcsik, "Aristotle on Adequate Explanations"

Moravcsik, Julius M. E. (1974) "Aristotle on Adequate Explanations" Synthese 28, 3-17. Ar. の αἰτία 論を「説明要因 (explanatory factor)」の理論と捉え,解釈の叩き台を提示している。ごく粗描的でテクスト解釈にも紙幅を割いていないのは恐らく発表…

『分析論』の発展史,あるいは論証理論の項論理学からの独立性 Barnes, "Proof and the Syllogism"

Barnes, Jonathan "Proof and the Syllogism" in E. Berti (ed.), Aristotle on Science: The Posterior Analytics. Padua: Antenore. 17–59. 『前書』と『後書』の関係を発展史的観点から検討した論文。現在伝えられる『後書』の内容は『前書』の項論理学 (…

三種類の原理: 公理・定義・基礎措定 McKirahan, Principles and Proofs #3

McKirahan, Richard D. Principles and Proofs: Aristotle's Theory of Demostrative Science. Princeton: Princeton University Press. 36-49. 各パッセージごとに訳,訳注 (note on translation),検討 (discussion) という形式になっているので,それを反…

アリストテレスの前置詞用法のコイネー的傾向 Stevens, "Aristotle and the Koine: Notes on the Prepositions"

P. T. Stevens (1936) "Aristotle and the Koine: Notes on the Prepositions", CQ 30, 204-217. アリストテレスの言語に見られるアッティカ方言とコイネーの間の過渡的性格を,前置詞の用法から明らかにする論文。具体的には (1) 前置詞の用法,および前置…

古代の定義論の諸問題 Charles, "Introduction" in Definition in Greek Philosophy

Charles, David (2010) "Introduction" in Definition in Greek Philosophy, Oxford: Oxford University Press. 1-28. ギリシア哲学における「定義」の問題を扱った比較的最近の論文集の序論である。言うまでもなく主題への導入と各論考への導入とを兼ねてい…

論証の原理が満たすべき諸条件 McKirahan, Principles and Proofs #2

McKirahan, Richard D. Principles and Proofs: Aristotle's Theory of Demostrative Science. Princeton: Princeton University Press. 21-35. コメンタリー形式なので要約しにくいが,とりあえずテクストと対照させるやり方でまとめていく。

今週読んだ本

『思想』2018年第8号,岩波書店。 浅野楢英『論証のレトリック: 古代ギリシアの言論の技術』ちくま学芸文庫,2018年。 『思想』 「感情の歴史学」特集。フレーフェルト「屈辱の政治: 近代史における恥と恥をかかせること」: 国家や個人による辱めに対する意…

今週読んだ本

『フロイト全集 5』新宮一成訳,岩波書店,2011年。 スーザン・M・オーキン『正義・ジェンダー・家族』岩波書店,2018年。 久保亨・瀬畑源『国家と秘密: 隠される公文書』集英社新書,2014年。 『フロイト全集 5』 『夢解釈』の後半部。第6章「夢工作」はや…

『分析論後書』の史的背景 McKirahan, Principles and Proofs #1

McKirahan, Richard D. Principles and Proofs: Aristotle's Theory of Demostrative Science. Princeton: Princeton University Press. 7-20. 『分析論後書』の研究書を読む。第一章は同書の背景にある5-4世紀における初期ギリシア科学の展開を叙述している…

今週読んだ本

ローレンス・スターン『トリストラム・シャンディ 上』 朱牟田夏雄訳,岩波文庫,1969年。

εἰ ἔστι の問いの内容 Gómez-Lobo (1980) "The so-called question of existence in Aristotle, An. Post. 2. 1-2"

Alfonso Gómez-Lobo (1980) "The so-called question of existence in Aristotle, An. Post. 2. 1-2", The Review of Metaphysics 34. 71-89. 「『分析論後書』B巻1章の εἰ ἔστι は実在用法ではなく述定用法だと見なすべきだ」と主張する論考。一見するより…

今週読んだ本

清塚邦彦『フィクションの哲学〔改訂版〕』勁草書房,2017年。 戸田山和久『哲学入門』ちくま新書,2014年。 九鬼周造『偶然性の問題』岩波文庫,2012年。 倉田剛『現代存在論講義 II』新曜社,2017年。

今週読んだ本

ブライアン・チャールズワース,デボラ・チャールズワース『進化』石川統訳,岩波書店,2007年。 『フロイト全集 4』新宮一成訳,岩波書店,2007年。 『進化』 VSI シリーズの進化生物学の入門書。高校生物+αくらいの内容。進化という視点が細胞機能のような…

トラシュマコスの定義観はそれほど厳密ではない Chappell, "Thrasymachus and Definition"

T. D. J. Chappell (2000) "Thrasymachus and Definition", Oxford Studies in Ancient Philosophy 18, 101-7. Everson 1998 への応答論文。批判的な論点についてはご尤もとしか言いようがない。

トラシュマコスは正義について指令的主張をしていない Chappell, "The Virtues of Thrasymachus"

T. D. J. Chappell (1993) "The Virtues of Thrasymachus", Phronesis 38, 1-17. Θ. は正義そのものについては指令的な (prescriptive) 主張を何らしておらず,単に記述的な (descriptive) 主張をしているだけである,と論じる。*1「言われてみれば当然」と…

今週読んだ本

ソル・フアナ『知への賛歌: 修道女フアナの手紙』旦敬介訳,光文社古典新訳文庫,2007年。 ガブリエラ・ミストラル『ガブリエラ・ミストラル詩集』田村さと子編訳,小沢書店,1993年。 アレホ・カルペンティエル『この世の王国』木村榮一・平田渡訳,水声社…

トラシュマコスの混乱 Everson, "The incoherence of Thrasymachus"

Stephen Everson (1998) "The incoherence of Thrasymachus", Oxford Studies in Ancient Philosophy 16, 99-131. Θ. の立場は矛盾・混乱していると論じる論文。「最初の立場は conventionalist であり,後の立場は immoralist であって,間に立場の変更があ…